ダウ理論ってなに?名前はよく聞くけれど、ダウ理論で勝てるの?
ダウ理論は、なにかテクニカル指標を使ってやるような手法ではありません。
テクニカル分析をする上での土台となる重要な考え方みたいなものです。
FX初心者の方も、是非、理解しておいてほしいダウ理論の5つの要素をお伝えします。
FX初心者には、テクニカル分析をおすすめしていますが、そのテクニカル理論の元祖ともいうべき「ダウ理論」についてお伝えします。
ダウ理論とは、なにか特定のインジケーターやツールを指しているわけではありません。
いろいろなテクニカル分析のおおもとになっている考え方と言えます。
ダウ理論とは、テクニカル分析するための値動きの見方の基準となるものです。アメリカのチャールズダウさんが考えられた理論です。初心者の方も、おそらく名前は聞いたことがあるニューヨークダウを考案された方です。
幅広くテクニカル分析に応用されている理論です。おさえておきたいダウ理論の要素は以下の5つです。(6つ目は、株式市場で使いますが、FX市場では外しておきます)
目次
1.平均価格はすべてを織り込んでいる
テクニカル分析では、ファンダメンタル要素はすべて価格に織り込まれている前提でチャートを見ていきます。なので、チャートだけを見てトレードしていくテクニカル分析は、ダウ理論が根本にあると言えます。
いろいろな経済指標や各国の政策の影響を受けながら、価格は変動していきます。
つまり、ダウ理論に基づいて、さまざまな要素はすべて価格に織りこまれて推移していくと考えることができるので、価格のみに焦点をあてるテクニカル分析は有効になってくるのです。
2.トレンドは3つの波動がある
トレンドには、上昇トレンドと下降トレンドがあるとお伝えしました。
たとえば、その1つの上昇トレンドは、見る期間の長さによって3つの捉え方ができます。それは、長期(1年~数年間くらい)、中期(3週間~3か月くらい)、短期(数時間~3週間未満)の3つになります。
なので、デイトレードやスイングトレードをする場合は、分足や時間足を見て、短期波動をメインでとらえていきます。そして、サブで週足を見て、中期波動を確認するようにします。
ダウ理論の3つの波動を意識することで、「中期的には上昇トレンドだが短期的には調整の下降トレンドになっている」という見方ができるようになります。
3.主要トレンドは3段階からなっている
たとえば、1つの上昇トレンドは、次の3つの段階からできています。
1.先行段階
上昇トレンドの生まれた時期に、先進的なトレーダーが買ってくる、いわゆる仕込み段階になります。
2.追随段階
上昇トレンドの初動に乗っかってさらなる買い注文が入り、強い上昇が生まれる局面で、最も値幅がとれる段階になります。
3.利食い段階
先行段階で買いを入れたトレーダーが利食いをしてくる局面、上昇値幅が小さくなってくる段階になります。
この3つの段階を経て、1つの上昇トレンドは終わります。ひたすら、上げ続ける相場もなければ、下げ続ける相場もないということを、ダウ理論が教えています。
4.トレンドは継続する
すでにお伝えしているトレンド継続です。これが、トレンドフォローや順張りのおおもとになっている考え方です。
「高値を更新したら買いましょう、安値を更新したら売りましょう」という場合の根拠となっているのが、このダウ理論のトレンドは継続するという考え方です。
つまり、トレンドに乗ってトレンド方向に売買して利益を得る順張り方法は、ダウ理論が根拠になっています。
5.市場価格の終値を重視する
ローソク足には4本値がありますが、その中で終値を重視するという見方です。
1つの時間足は高値と安値をつけながら、最終、終値をつけますが、その時間足中に市場参加者が合意した価格が終値です。終値を最も重視するのが、ダウ理論の考え方です。
実際、終値が確定してから次の足を分析して判断していくテクニカルトレーダーは多いです。
また、実際テクニカル指標も終値をもとに計算されているものが多いです。たとえば、移動平均線、ボリンジャーバンド、ストキャスティクスなども終値から作られています。
テクニカル分析をする上で、ダウ理論の終値重視は、とても大切な要素にと言えます。
6.トレンドは出来高でも確認する
FX市場の場合、1つのFX業者が自社の取引高を公表しているところはありますが、FX市場の全体の出来高となると把握することは難しいです。
なので、FX取引では、出来高の確認はあてはまらないと言えるので、この要素はスルーでいきましょう。
FX初心者の方も、テクニカル分析でトレードしていく場合は、ダウ理論は絶対外せない理論になります。
内容的には、決して難しいものではなく、なるほどと自然に納得できるようなものばかりです。でも、相場から利益を継続して上げていくには、ダウ理論は強力な武器になります。
是非、日々のトレードでダウ理論を取り入れるようにしましょう。